若年層を中心に定着するパールネックレス
表参道を歩いていると、首元にパールのネックレスをしている男性とすれ違うことがしばしばあります。日本でもストリートファッションにパールを取り入れるメンズが増えています。
これまでパールというと女性らしさの象徴のように考えられていましたが、最近のファッションのキーワードが「ジェンダーレス」であることと、パール人気は関係がありそうです。
※写真はイメージ。
ジェンダーレスファッションとは、男性用、女性用という区別なしに、自由に楽しむ自分らしいおしゃれのこと。これまで男性にとってパールはちょっと敷居の高いジュエリーだったかもしれません。ところがジェンダーレスファッションのスタイルが浸透するなか、メンズブランドによるメンズパールの提案が始まりました。
海外では2019年3月、「シャネル」とファレル・ウイリアムズのコラボコレクションでユニセックスのパールネックレスが発表され、脚光を浴びました。マーク・ジェイコブス、ハリー・スタイルズ、エイサップ・ロッキー、ジェイン・スミスなど有名なファッションデザイナーやセレブらが私服やステージ衣装でメンズパールを着用し、話題を集めました。2020年春夏コレクションから、パールネックレスを使ったスタイリングの提案も増え、日本でもモードに敏感な若年層にパールのネックレスが定着してきています。
パールの持つポテンシャルをカジュアルに生かす
パールには他の宝石にはない品格があり、着けることによる特別感は圧倒的です。皇室のレディたちが公の場で身に着けるのもパールのネックレスです。パールの持つフォーマル感、そのポテンシャルを逆手にとってカジュアルに身に着けるのは、おしゃれ上級者ならではの醍醐味かもしれません。2021年には「コム・サ・デ・ギャルソン」も「男性がパールを着ける」をテーマにしてミキモトとコラボしたジュエリーを発表するなどし、パールの持つポテンシャルがますます注目されています。
ストリートファッションにもパールが進出
これまでフォーマルの場、それは結婚式であったり、パーティであったり、葬儀の場など冠婚葬祭で活躍することの多かったパールのジュエリーですが、ストリートファッションにも進出しているのが、最近の傾向です。Tシャツにさりげなくパールのネックレスを着ける、シャツの襟を開き、首元からパールのネックレスをのぞかせる、襟のボタンを首元までしっかりととめ、襟の下にパールのネックレスをわずかに見せるなど、パールをいかにさりげなく見せるかは、センス次第。パールだけのネックレスはハードルが高いと思う人には、メタルのチェーンとパールを組み合わせたネックレスをおすすめします。メタルとコラボすることでクールさや辛口感が加わり、パールのやさしさや甘さ、フォーマル感を和らげてくれます。
ジェンダーレスが今の時代のキーワードなので、パールを身に着けることは最旬のファッションといえます。彼女とふたり、パールのピアスを片耳に着け、パールのジュエリーをペアで楽しむのも目を引きそうですね。
航海に従事する男たちのタリスマン
真珠は母貝の内側で大切に育てられ、生み出されることから安産のお守りとされるなど、古くからお守りとして人々に親しまれてきました。年月がかかる真珠の成り立ちから、苦難を乗り越える強力なパワーが宿っていると考えられてきたのです。そのような観点から、船乗りや漁師たち、航海に従事する男たちは海難事故に遭わないよう、海のお守り、タリスマンとして真珠を身に着けてきたといわれています。
日本では厄除けとしての歴史も
真珠は薄い真珠層を何百、何千と巻きながら、成長していきます。その健気さと純粋さ、希少性から、日本でも珍重され、苦難に打ち勝ち、健康や富、長寿を得るお守りと考えられてきました。日本書記や古事記にも真珠は登場しています。自然がつくり出した希少な真珠は厄除けとして大切に扱われてきたのです。
真珠への思いは現代でも変わることはなく、白い真珠はひとの心をいやすといわれ、グレーの真珠は心配事を解消し、ビジネスを精巧に導くといわれています。ストレスを抱える男性にとって、真珠はおしゃれなアイテムであるだけでなく、日々を支えてくれるタリスマンのひとつになりそうですね。
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