さて、今回は、

パールをお酢につけると溶けてしまう?

というテーマでご紹介したいと思います。

パールをお酢につけると溶けてしまう

酸に弱い性質を持つパール

真珠をお酢につけると溶けてしまうのは本当です。パールの主成分は炭酸カルシウムなので、酸に弱い性質を持っているのです。現実に自分の所有するパールジュエリーをお酢につける人はいないと思いますが、真珠表面の輝きを損なう危険は日常の中にも潜んでいます。たとえばオレンジジュースやグレープフルーツ、レモンの果汁がパールのネックレスやリングに飛んだ場合はそのままにせず、早急に処置しなくてはいけません。きつく絞った濡れ布巾などで手早く丁寧にふきとります。酸が真珠層にしみこんでしまう前に処置する必要があります。食卓の上にあるドレッシングや食酢などを使う際にも気を配りましょう。万が一、酸性のものがパールのジュエリーに付いてしまった場合は、手早い処置を心がけてくださいね。

 

パールをお酢につけた伝説の人とは?

実際にパールはお酢につけて溶かしてしまった伝説を持つ人物がいます。古代エジプトの女王クレオパトラは各国の権力者を集めた宴席で、耳に着けていた真珠のイヤリングをグラスに注いだワインビネガーに入れ、みなの前で溶かして飲んで見せたという伝説が残されています。当時の天然真珠はとてつもなく高価なもので、クレオパトラの所有していたこの真珠のイヤリングには一つの国が買えるほどの価値があったといわれています。宴席の客人の一人であるローマの将軍アントニウスに、自分の力を見せつけるためにうった芝居といえるかもしれません。

核を何百、何千と包んでいる真珠層が神秘的な真珠の輝きの源。おもに炭酸カルシウムからできている真珠層は、酢の主成分である酢酸に溶けてしまいます。実際に、お酢の中に真珠を沈ませた実験映像では、真珠の表面からすぐに細かい泡が出始めます。酸の度数が高いほど、溶解の速度は早くなります。パーティーや会食の場で真珠のジュエリーを身につけているときは、お酢やジュースなどの酸に触れないよう、取り扱いには気を付けなくてはいけません。

 

パールジュエリーの装着はドレスアップの最後に

パールはとてもデリケートな宝石で、酸に弱いだけでなく化粧品など化学物質にも弱いので身に着ける場合はパールならではの注意が必要となります。どんな宝石でも同じですが、身に着ける際のルールは、お出掛けの準備が終わった最後に装着することです。そして外出から戻ったら最初にはずすことがポイントです。宝石の中でも特にデリケートな性質を持つパールのジュエリーを身に付ける際は、お化粧を施し、髪を整え、ヘアスプレイも終えた身支度の最後にネックレスやピアス、イヤリング、指輪を身に着けることをおすすめします。

 

帰宅後のパールのお手入れ

外出中身に着けていたジュエリーは汗や皮脂などさまざまな汚れをまとっています。中でもパールはデリケートな宝石ですから、外出先から自宅に戻ったら、真っ先に外してお手入れの後しまいましょう。外してそのまま宝石箱に入れるのではなく、ひと手間かけてお手入れをするとより安心できます。
例えばパールのネックレスであれば、留め金を留めて丸い形に広げ、中央から留金に向けて柔らかな布で丁寧に汗などの汚れを拭き取っていきます。拭きとる際は力を入れず、やさしく丁寧に拭きとっていくようにします。パールに限らずジュエリーを外した後は、すぐに柔らかな布で拭く習慣を身につけると、ジュエリーの持ちが良くなり、お手入れが楽になります。

 

パールの光沢を長く損なわないために

鉱石に属する宝石と異なり、パールは有機物です。デリケートな性質を理解した上で身につけることで、その美しさを長く楽しむことができます。パールの経年劣化を防ぐには日々のお手入れ次第。パールの光沢を損なわないためのお手入れで、長く楽しみましょう。

ただ、丁寧にお手入れしていても長年の使用によって光沢が鈍ってくることもあります。そのような場合はプロに相談しましょう。当店にお持ちくだされば、真珠層を薄く研磨するプロのお手入れで光沢がよみがえります。大切に身に着け、日々のお手入れを忘れず、いつまでも真珠の輝きを楽しんでいきたいですね。

 

 

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